古いパソコンやノートPCでも動くゲームを、 あえて狙って開発するのはアリなのか?
「最新ゲーミングPCじゃなくても遊べるゲーム」が、
じつは個人開発の“稼ぐための秘策”になるかもしれない――。
今回は、
古いパソコンやノートPCでも動くゲームを、
あえて狙って開発するのはアリなのか?
というテーマで、
個人 or 小規模チーム向けにブログ記事として整理してみます。
1. インディー開発の現実:「重いゲーム」はそもそも不利
UnityやGodot、Unreal Engineなど、
ゲームエンジンのおかげで個人でも3Dゲームが作れる時代になりました。
とはいえ、問題はここです。
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高画質・高負荷なゲームほど、
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開発コストが高い
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バグも増えやすい
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テスト用PCもハイスペックが必要
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SteamやSwitchには強力なライバルが山ほどいる
個人や小さなチームで「重くてリッチなゲーム」を作るのは、
正面からAAAタイトルに殴り込みに行くようなものです。
そこで出てくる発想が、
「古いPCでも動くゲームに振り切った方が、
逆に勝ち筋があるのでは?」
という戦略です。
2. 古いPC・ノートPC向けゲームの“利点”
2-1. プレイヤー層が意外と広い
最新のゲーミングPCを持っている人は、
実はそこまで多くありません。
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会社支給のノートPCしかない
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自宅のPCは数年前のノートPC
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GPUなしのオンボードグラフィックス
こういう人たちは、
「重たいゲームはそもそも選択肢に入らない」
ので、最初から競合が少ない市場と言えます。
そこへ、
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「低スペックPCでもサクサク動く」
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「5年前のノートでもOK」
と明言しているゲームが出てくると、
“ありがたい存在”になれる可能性があります。
2-2. 海外の新興国・学生・ライト層とも相性が良い
古いPCでも動く、というのは
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PC買い替えの頻度が低い国・地域
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学生や若年層
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メインはスマホだが、家に古いノートPCがある層
とも相性が良いです。
とくにSteamやitch.ioを通じて世界に出すと、
「軽くて動く」というだけで価値になるケースもあります。
2-3. 開発環境・テストが楽になる
開発側のメリットも大きいです。
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開発マシンがそこまでハイスペックじゃなくてもOK
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「古いノートPCで動けば合格」という明確なテスト基準になる
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グラフィックやエフェクトを盛りすぎないため、
デザイン・仕様がシンプルにまとまりやすい
結果として、
企画倒れしにくく、完成まで持っていきやすい
という、インディー最大の課題に効いてきます。
2-4. レトロ・ローポリ・2Dが「味」になる
グラフィックを軽くしようとすると、
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2Dドット絵
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ローポリ3D
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シンプルなエフェクト
といった方向に寄っていきます。
これはむしろ、
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レトロゲーム風
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PS1風ローポリホラー
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ミニマルでオシャレな2Dインディー
など、**今のインディー市場で強い“雰囲気ジャンル”**と相性抜群です。
「重くない=しょぼい」ではなく、
「軽い=味のある世界観」として作り込むことができれば、大きな武器になります。
3. もちろんデメリットもある
良いことばかりではありません。
古いPC向けに振り切るデメリットも押さえておきましょう。
3-1. 派手なグラフィックで釣れない
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スチームのサムネを見た瞬間に伝わる「圧倒的グラフィック」は武器です。
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低スペック対応ゲームは、見た目だけで比較すると、どうしても地味になりやすい。
→ タイトル・サムネ・PV・説明文の力で、
**「軽いけど面白そう」「世界観が刺さる」**ことを伝えないと埋もれやすいです。
3-2. 「安っぽいゲーム」と思われるリスク
「低スペック対応」という売り文句が、
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「スマホの適当移植かな?」
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「ブラウザゲームレベルかな?」
と誤解されることもあります。
クオリティを低くするのではなく、
表現を絞り込んでいるだけで、ゲームの面白さは妥協しない
という設計が必要です。
3-3. PCスペックの“古さのライン”をどこに置くか問題
「古いPC」と言っても、
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10年前のCeleronノート
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5年前のi5オンボード
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中古の省スペックデスクトップ
など、ラインはいろいろです。
現実的には、
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5〜7年前の一般的なノートPC(オンボード)で
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1280×720 / 30fps 固定
くらいを最低ラインに設定しておくと、
開発側も現実的にやりやすくなります。
4. どんなゲームエンジンで、どう作ると良いか?
ここからは、実際の開発の話。
4-1. エンジン選びの考え方
Unity
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2D〜ライトな3Dまで幅広く対応
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アセットストアが充実している
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軽量レンダリング(URP)を使って、ポストエフェクトを控えめに
Godot
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オープンソースで軽量
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2Dゲームに特に強く、古いPCにも向きやすい
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ビルドサイズも比較的小さくまとまりやすい
GameMaker / RPGツクール系
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2Dメインで、低スペックPC向きの設計をしやすい
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開発スピードが速いぶん、「完成させて出す」ことに集中しやすい
ポイントは「エンジン自体の軽さ」ではなく、
どういうゲームデザインにするかの方が重要です。
4-2. 軽量ゲーム設計のコツ
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解像度は1280×720を基本に、オプションで上げられるように
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60fpsを無理に狙わず、30fps安定を目標にする
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重いポストエフェクト(モーションブラー・DOF・HDR盛り盛り)は極力カット
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オブジェクト数・ライト数に上限を決めておく
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テクスチャサイズを抑える(1024px以内にまとめる等)
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2D・ローポリ・シンプルシェーダーで世界観を作る
**「スペックに合わせた企画」**を最初から立てておくと、
あとから最適化地獄になりにくいです。
5. ビジネスとしての“売り方”にも工夫の余地アリ
「古いPC向け」戦略を、ちゃんとマーケティングにも活かしましょう。
5-1. セールスポイントとして「軽さ」を打ち出す
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ストアページの説明文やPVで、
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「5年前のノートPCでも動作確認」
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「オンボードGPUでも快適プレイ」
といった文言を入れる
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Steamならタグやレビューで「軽い」「低スペックでもOK」と書かれると強い
“動くかどうか不安”を先回りして潰してあげるのは、ユーザー安心材料になります。
5-2. 価格帯とボリュームのバランスを意識する
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軽量ゲーム=低価格ワンコイン
みたいなイメージになりがちですが、 -
面白くてリプレイ性があれば、
1,000〜2,000円帯でも十分戦えます。
重要なのは、
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ボリューム
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遊びごたえ
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世界観の刺さり具合
とのバランスです。
5-3. itch.io・DLsite・Boothなども視野に入れる
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Steamだけでなく、
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itch.io(海外インディー市場)
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DLsite(日本のニッチ層)
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Booth(クリエイター界隈)
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など、軽いPCでも遊びやすいゲームを好むユーザーが集まりやすい場所にも展開すると、ロングテールな売上が期待できます。
6. 結論:古いPC向けは「抜け道」になり得る
まとめると──
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古いPC・ノートPC向けゲーム開発は、
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開発コスト・テスト負荷を抑えつつ
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競合の少ない市場に刺さる可能性のある戦略
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個人・小規模チームとの相性はかなり良い
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ただし「安っぽく」ならないよう、
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世界観・遊び心地・企画の強さで勝負する必要がある
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ゲームエンジンは、
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2D・ローポリ・軽量設計を前提にUnity / Godot / GameMaker等を選び、
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最初から「低スペック前提」の企画を立てるのが吉
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AAAタイトルと同じ土俵で殴り合うのではなく、
「古いPCでも遊べるインディーの名作」というポジションを狙う。
これは、
**個人開発者が生き残るための“ニッチだけど現実的な秘策”**になり得ます。

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